湯村温泉は岸田川支流春来川沿いの温泉街です。
この温泉は北東-南西に走る湯村断層に沿って湧いた温泉で、花崗岩の割れ目から98℃の高温泉が湧出しています。
源泉である「荒湯」の湯量は1分間に470Lと多く、高温の温泉を利用した温泉玉子(荒湯たまご)や公衆浴場などでも利用されています。
泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(低張性・中性)、ph7.29で無色透明。泉源は63ヶ所あり、現在使用中のものは49ヶ所もあります。この温泉は湯区の旅館や家庭への配湯の他、「リフレッシュパークゆむら」や「ログハウスカナダ」などで利用されています。近年、この温泉を利用して化粧水やボディソープがつくられています。
湯村は温泉で発展した町で、その発見は今からおよそ1180年前に慈覚大師によって発見されたと伝えられています。
「荒湯」は古くから区民の共有財産という認識の下に、湯財産区が長年に渡り大切に管理してきました。温泉玉子などのジオ体験ができるなど、源泉が地元以外の人にも広く解放されていることは、全国的に見ても珍しい風景です。
湯村は「湯がきの文化」とされ、ホウレンソウ、山菜などの野菜から、豆腐や蟹、団子までも荒湯で湯がかれていました。
また、暖房機器の普及とともに姿を消していた「荒湯湯たんぽ」が自然環境保護運動の一環として復活。
各旅館でレンタルでき、体への負担も少なく、電気を使わないエコなサービスとして人気を得ています。さらに、家庭に配湯されるまでは荒湯に洗濯場もあり、各旅館では温泉熱を利用した乾燥場も設けられていました。温泉が生活の一部となっており、人々は様々な恩恵を受けてきたといえます。
最近では、地熱発電をする候補地として期待されています。
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