神鍋山

豊岡市日高町の神鍋山は、約2万年前に噴火した近畿地方では最も新しい火山です。溶岩は玄武岩で、大変流れやすく、ここから18kmも流れ下っています。
そのため、稲葉川に沿って円山川の国府地区まで溶岩が見られます。
この地域では、神鍋山だけでなく西気火山・大机火山など7つの火山があり、約70万年前から2万年前までの火山群として断続的に噴火したことがわかっています。神鍋山は標高469mで、直径118m・深さ40mの火口も残っています。神鍋山はスコリア(噴火のしぶきでできた黒っぽい砂や礫)が積み重なってできたスコリア丘です。

■火山の地形
神鍋山は大正15年(1926年)、関西では最初のスキー場として開発されました。標高が500m程度でスキーが楽しめる大変珍しい所です。
スキー場は神鍋山だけでなく、山田・万場にもスキー場があり標高800m付近から滑走コースがあります。現在はスキー場の他にパラグライダー・グラススキー・マラソン・ハイキング等多様なスポーツに利用されています。
スコリア丘からは紡錘形をした火山弾が多数見つかりますが、現在は国定公園と兵庫県の自然公園に指定され、持ち出し禁止となっています。スコリア丘の断面が見える崖から300mほど西に行くと「風穴」があります。溶岩やガスが通り抜けた跡で、年間平均気温が約8℃と一定しているので以前は地元の人が天然の大型冷蔵庫として使用していました。
また、この火山の麓には縄文時代前期遺跡があります。

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